若者がゆく、北のユースホステル旅

かつての勢いが衰えたユースホステル(と時々ゲストハウスととほ宿)、そしてランドナーを愛してやまない若者による北海道中心の旅行記と観光紹介。宿への愛が強すぎて、つい評価が甘めになるのはご愛嬌。

宿紹介: 室蘭ユースホステル

さて、本日紹介するのは室蘭ユースホステル 。室蘭の手前の輪西駅から歩き、高台を登ると見えてくるのがこちら。

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北海道の建築界隈で有名な田上義也が、船をモチーフに設計したユースホステル です。ちなみに田上義也はユースホステル を数多く設計しており、支笏湖ユースホステル、旧美幌ユースホステル なども彼による設計です。

こちらの開業は1972年と非常に古く、現存するユースホステル の中ではかなりの古参の部類に入ります。そのため、改修は随時しているものの海が近いために塩害がひどく、写真のような状態です。ペンキを塗ってもすぐに駄目になるとか。(写真は2015年1月)

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ただ立地に関しては、アクセスは悪いものの景色が最高です。宿の目の前からイタンキ浜もよく見えます。

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そして内装も古く、昭和の時代にタイムスリップでもしたかのような雰囲気。

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寂しげな案内マップ・・・かつての栄光に涙・・・
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ユースが開拓したこのトレッキングコース、歩く人がほぼおらず廃道状態で藪漕ぎが大変ですが、本当に最高です。

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ちなみに景色はこちら

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道なき道をゆく・・・
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案内には一つも入っていません・・・

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そしてこれらはまだ許容範囲ですが、いかんせん水回りの古さはなかなかのもの。お風呂とか正直少しきついです。

 

さて、ではそんなユースホステル をなぜ紹介するのか、というところですよね。

まぁ一言で言えば「思い入れ」ですね。父が昔ここの常連だったということで家族旅行でも行きました。またその常連仲間で数十年ぶりに年越しイベントをする、ということで参加もしました。そしてそれがあまりに楽しく、一人旅に目覚めてしまったという訳です。

今ではこのように、人気のあるユースホステル とはいえなくなってしまいました。ですがかつては年越しに100人ほど参加する、そんな栄光の時代があったのです。そのノスタルジーを皆さんに少しでも共有したく思った次第です。

 

さて、話が横道にそれましたが紹介を続けます。

現在こちらでは夕食提供はなく、朝食のみ。まぁ必要十分。ただたこ焼きが出てきたのは笑いました。なぜ北海道で大阪名物?笑

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そして夕食はないため必然的に街中で食べるか、コンビニ飯を食べることになります。が、ここは高台にあるので、車でなければ食事後に戻ってくるのは厳しいかもしれません。
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上の写真は数十年ぶりの年越しの時に出てきたジンギスカンです。グラタンと焼きホタテも絶品でした。かつてここは北海道ユースの中でも食事はトップクラスだったそう。時の流れの悲しみを感じます。

 

そして最後にペアレントさんについて触れておきましょう。寡黙な方なので、某レビューサイトを見ていると愛想が悪いだの、やる気がないだのといった言葉が散見されます。

ですが声を大にして言いたい!とても熱い想いを持った親切な方だと!

かつては地球岬を北海道三大岬として売り出すために組織票を呼び掛けたり(一部からは批判もあったとか)、イタンキサマーフェスティバルの端緒となる砂祭りを計画したりと、室蘭への愛情は人一倍持っておられます。わからなくもないですが批判の言葉が悲しく、胸が痛みます。施設のボロさへの批判は妥当だと思いますけどね笑

 

そんなこんなで熱くなってしまいました。今回は万人にオススメはできないためレビューの星はつけません。

ただ昭和レトロが好きな方には案外貴重な宿かもしれません。良ければ是非どうぞ。